KO-B X 開発秘話

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KO-B X 開発秘話

あるものは使うのだ!

KO-B X

すごいスキーです。圧倒的に軽くて、コブだけじゃなくて整地やその他の斜面の走破性も高い。
コブ好きに限らずあらゆるスキーヤーにお勧めできる1台です。

その開発はKO-B Xの前のKO-Bに遡ります。

年に2回くらいしか行けない青森本社でのミーティング。会議室の片隅に半分埃をかぶって立てかけられたスキーがありました。

「これなんですか?」

いわゆる大人用のセットスキー。ビンディング込みで¥39,800−くらいのモノ。

「3サイズは?」

105−70−95

「ビンゴ!」

一気にイメージが膨らみました!

コブ好きの方にも整地やその他の斜面を楽しんでもらいたい!

そこから始まったKO-B開発。

3サイズは105−70−95。
これってみんなは気にしていないけど、一昔前にオールラウンドモデルと呼ばれていた黄金率が105−65−95くらい。これって最高じゃん!=ウェストが5mm広い分、サイドカットもゆるくてコブ斜面には最適。

悪雪でも走破性をキープできる。
クラックドエッジならコブ斜面で曲がる心配もない

もちろんインジェクション=安いから。だけどそこが強み=軽くできる。

「よっしゃぁー!」間違いなくいける手応えを感じつつ、そこからイメージと仕様を伝えて、早速試作へ。

KO-Bの大命題は、「曲がらない=どこまでもしなるスキー」。

これはターンではなくてスキー自体が曲がらないということ。

金属(=メタル)があるから曲がる。だからエッジをクラックド(=切れ目)のあるものにし、強化材もグラスのみ。曲がる要素を一切排除して試作をスタートしたのですが・・・

できました!KO-B。評価は上々。雑誌のスキーテストでも、某デモンストレーターのコメント

「大回りが調子いいですねぇ」

「頼むからコブ斜面での評価もくれよ!」

まさに最軽量のオールラウンドモデルの完成だったのですが・・・

実は重大な欠点がありました。
スキー自体が曲がらない。逆の見方をすればどこまでもしなるスキー。

コブ好きの方は僕から見れば時代遅れの、ターンテーブル式のビンディングを好んで使います。かかとの下にしかビスがないターンテーブル。

どこまでも曲がってしまうKO-Bは、キャップ構造のために、その性質上トップシートがスキーのしなりに耐えられなくて裂けてしまうのです。

これは製品上の欠陥ではなくて、構造上の致命的な欠点でした・・・。

〜改善から発展へ〜

さぁどうしよう???

トップシートがスキーのしなりに耐えられなくて裂けてしまう。こればっかりはどうしようもない。だけどこれはなんとかしないと。

ここからがケミストリーの始まりでした。ブルーモリスと僕のケミストリー=化学反応。

「エラス(クラックド)エッジは捨てましょう」

そう言われて僕からの提案は「強化材にカーボン入れてください」。

カーボンはグラスとも違う独特の反発特性があって、しかも軽い!

エラスをやめるということはそれを支えていた強化材のグラスを削減できる=さらに軽くなる!

なんだかまるでオーケストラの山場を聴いているかのように、KO-B Xの構想がまとまりました。

どうしてもエラスを使う以上、芯材の如何を問わず使わざるをえない「強化材」。
その足かせから解放されてさらにカーボンという武器を身にまとった「KO-B X」は・・・

そしてKO-B Xへ

カーボンビームを身にまとったKO-B X。3サイズは160cmも170cmもいっしょの

105−70−95

理由は簡単、細いスキーだと3サイズを変えることにメリットがあまりないから。しかもモールドがあったし=あるものは使う!

ちなみに(コブ系の)B-MPやワンちゃん(DOG)も3サイズは各サイズ共通、変える意味がないから。

他のSL-CやLA-F、動物たちは全部3サイズが違います。長さに対しての乗り味をコンセプトに揃えるため。

KO-Bに比べてさらに軽くなったKO-B X。カーボンの軽快な反発特性と振動吸収性が相まって、KO-Bよりもさらに乗り味も軽快に。

そして、硬いバーンや高速での安定感も増して、さらなる進化を遂げました・・・大成功!

埃をかぶっていたモールドだったけど、中身を一から再構築して別次元のモノを作り上げる。

「あるからいいや」じゃなくて、「これがいい!」だったのです。

本当にドラマティックな経緯で出来上がったKO-B X。とてつもなく軽いけど、とてつもなく快適で安心感のあるKO-B X。スキーが軽いのは何モノにも代えがたい正義だと思うのです。